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神回確定。アメトーク「若手芸人SP」が30分枠の限界を超えていた

昨夜の『アメトーク!』を観た方、お疲れ様でした。 おそらく今、私と同じように笑い疲れと興奮で寝不足のまま仕事や学校へ向かっている人が全国に数万人いるのではないだろうか。

今回のくくりは「若手芸人SP」。 ゲストは、アンタッチャブル、アメリカザリガニ、フットボールアワー、ライセンスという、今のお笑いシーンの最前線を走る4組。

このメンツを見ただけで、お笑いファンなら「何かが起きる」と予感したはずだ。しかし、実際に繰り広げられたのは、その予想を遥かに凌駕する「意地と才能のぶつかり合い」だった。

目次

1. M-1王者と実力派たちの火花

まず、スタジオの立ち位置からして緊張感があった。 昨年M-1を制したフットボールアワーが放つ「王者」の風格に対し、アンタッチャブル・山崎が放つ、周囲の空気を一切読まない(良い意味での)無差別級のボケ。そこにアメリカザリガニ・柳原の高い声の鋭いツッコミと、ライセンスの端正なルックスからは想像もつかない泥臭い笑いへの執着が混ざり合う。

番組冒頭、雨上がり決死隊の二人が登場した瞬間から、若手たちのガヤが止まらない。 宮迫さんが「お前ら、うるさいねん!」と一喝するも、それを合図にボケの波がさらに押し寄せる。この「MC対若手」の構図が、かつての『ギルガメッシュないと』や深夜の生放送のような、どこか懐かしくも新しい、ヒリついたグルーヴを生んでいた。

2. アンタッチャブル山崎という「劇薬」

今回のMVPを挙げるなら、間違いなくアンタッチャブル山崎だろう。 彼のボケは、もはやトークの文脈を無視している。誰かが真面目なエピソードを話そうとしても、その横から全く関係のないフレーズを被せていく。普通なら番組が破綻しかねないが、相方の柴田が驚異的なスピードでそれを処理し、笑いに変えていく。

この二人のコンビネーションは、もはや「職人技」を超えて「格闘技」に近い。フットボールアワーの後藤が「お前、さっきから何言うてんねん!」と鋭いツッコミを入れるたびに、スタジオの熱量は一段ずつ上がっていった。

3. 関西勢のプライド:フットボールアワーとアメリカザリガニ

一方で、関西勢の安定感と爆発力も凄まじかった。 フットボールアワー・岩尾の、あの独特の「溜め」から繰り出される一言。そして、アメリカザリガニ・柳原の「ハイトーン・ツッコミ」は、カオスになりかけたスタジオの空気を一瞬で引き締める。

特に、若手特有の「苦労話」になった時の彼らの切り返しは秀逸だった。 「お金がない」という定番のネタですら、彼らの手にかかれば、悲惨さを通り越して「滑稽なファンタジー」へと昇華される。ライセンスの二人も、先輩たちに負けじと体を張ったエピソードを放り込み、泥臭い笑いで食らいついていたのが印象的だった。

4. 30分番組という「短さ」がもたらした奇跡

最近の『アメトーク!』を観ていて思うのは、この「30分枠」という制限が、芸人たちの本能を呼び覚ましているのではないか、ということだ。 1時間あれば、どこかで「待ち」の姿勢をとることもできる。しかし、30分では一瞬の迷いが命取りになる。

テロップの入り方も、今のバラエティのような「説明」のためのものではなく、芸人のボケに対する「追撃」のようだった。 山崎の支離滅裂な言動に対して出された【※猛獣、現る】というテロップ。後藤の鋭すぎるツッコミに対する【※もはや執刀医】という表現。スタッフもまた、芸人たちと真剣勝負をしているのだと感じさせられた。

5. 総評:2004年、お笑いの最前線

今回の放送を観て確信したのは、「お笑い界の勢力図が確実に書き換えられている」ということだ。 雨上がり決死隊という絶対的な壁に挑む、4組の若き獅子たち。 彼らは単に「テレビに出たい」のではない。「この場を支配してやりたい」という野心に満ち溢れていた。

放送終了後の5分間、私はテレビの前から動けなかった。 これほどまでに純度の高い笑いを、無料の地上波放送で、しかも平日の深夜に浴びてしまっていいのだろうか。 アンタッチャブル、アメリカザリガニ、フットボールアワー、ライセンス。 この名前を、今日から手帳の1ページ目に書き留めておこうと思う。彼らがこの先、日本のバラエティの頂点に立つ日は、そう遠くないはずだ。


【追記】 ライセンスの井本さんが、宮迫さんに果敢に噛み付いていったシーン。 あそこで一瞬、宮迫さんが見せた「ニヤリ」という笑み。あれは、頼もしい後輩を見つけた時の先輩の顔だったように思う。

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