2005年5月9日放送。まだ番組タイトルが「アメトーク!」(「ー」が1つ少ない時代)だった頃、深夜枠で放たれたこの回は、まさに「芸人の生態展示」のような生々しさがありました。
「面白いのは間違いない。でも、どう扱えばいいんだ!?」 MCの雨上がり決死隊が、ゲストたちの「過剰な個性」という猛毒に挑んだ伝説の30分を振り返ります。
■ ほっしゃん。:鼻から啜る「きしめん」という狂気
この日のハイライトの一つは、なんといってもほっしゃん。さんの特技披露でした。 ピン芸人として脂が乗りきっていた彼が見せたのは、「鼻からきしめんを啜り、口から出す」という衝撃のパフォーマンス。
細いうどんではなく、あえて幅広の「きしめん」をチョイスするあたりに、彼の「取り扱い注意」なこだわりが凝縮されていました。粘膜の限界に挑むかのようなその姿に、スタジオは爆笑と悲鳴の渦に。宮迫さんも「お前、何してんねん!」とツッコミつつ、その異様なクオリティに脱帽していました。
■ 笑い飯・西田:天才の「運動神経」という名の欠落
当時、M-1の舞台で「奈良県立歴史民俗博物館」などのネタを披露し、新時代の漫才師として崇められていた笑い飯。 しかし、この日露呈したのは西田さんの「絶望的な野球フォーム」でした。
漫才ではあんなに完璧なリズムを刻む西田さんが、バットを持った瞬間に「関節のネジが全部緩んだ人形」のような動きに。投げる動作も、およそスポーツとは無縁な、あまりにも「変」な軌道。 「漫才の天才なのに、野球のフォームがこれかよ!」というギャップは、のちの「運動神経悪い芸人」の原石を見ているかのようでした。
■ 井上マー:前説のベテランが放つ「プロの悲哀」
尾崎豊のネタで「15の夜」を歌い上げていた井上マーさんですが、この日は「前説のベテラン」としての側面が掘り下げられました。
本番前の観客を温めることに心血を注ぎすぎて、逆に本番でどう振る舞っていいか迷走している(?)ような、プロフェッショナルゆえの「扱いづらさ」。雨上がり決死隊からも、その絶妙な立ち位置をイジられ、スタジオには何とも言えないシュールで温かい空気が流れていました。
■ 南海キャンディーズ:しずちゃんの「26年間彼氏なし」という純潔
前年末のM-1で準優勝し、一躍スターダムにのし上がった南海キャンディーズ。 まだ「しずちゃん」というキャラクターが謎に包まれていたこの頃、衝撃を与えたのが「26年間、一度も彼氏がいない」という告白でした。
山里さんの「キモい」という自虐トークに対し、しずちゃんが放つ「26年間の空白」という重みのある事実。そのピュアすぎる、あるいはミステリアスすぎる佇まいに、MCの二人も「どう接するのが正解やねん!」と、まさに取り扱いに苦慮する一幕が最高に盛り上がりました。
【総評】「弱点」を「最強の武器」に変えた夜
2005年当時のアメトークは、芸人さんの「カッコ悪い部分」や「理解不能な部分」を、最高のエンターテインメントへと昇華させていました。
- きしめんを鼻に通すほっしゃん。さんの執念
- 野球フォームが崩壊している西田さんの人間味
- 前説に命をかける井上マーさんの真面目さ
- 恋を知らないしずちゃんのミステリアス
これら「取り扱い注意」な要素こそが、彼らを唯一無二の存在にしていたのです。あの頃の深夜の熱量を、皆さんも思い出せましたか?

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