1. はじめに:深夜枠の「トガり」が最高潮だったあの頃
今や日本を代表する人気番組となった『アメトーーク!』。しかし、その原点にあるのは、2004年頃の深夜枠で見せていた「マニアックすぎる共通点」を掘り下げる、トガりまくった企画たちでした。
その中でも、後の「くくりトーク」のひな形を完成させ、視聴者に「この番組は一味違う」と思わせた金字塔が、2004年6月14日放送の「メガネ芸人」です。
当時はまだゴールデン進出前。スタジオの空気は今よりもずっと泥臭く、それでいて出演者たちの「自分のこだわりを世間にぶつけてやる」という熱量が充満していました。今回は、その中心にいた伝説のリーダー、笑福亭笑瓶さんを軸に、あの夜の爆笑の軌跡を徹底レビューします。
2. 奇跡のキャスティング:リーダー笑瓶と、脇を固める猛者たち
この回の凄さは、何と言ってもその絶妙なキャスティングにあります。芸人界のレジェンドから、当時勢いのあった若手、さらにはミュージシャンまで。
- 【リーダー】笑福亭笑瓶 まさにメガネ芸人の象徴。あの黄色いフレームが画面にあるだけで、企画の説得力が100倍になりました。
- おぎやはぎ(小木博明・矢作兼) メガネを「ダサいもの」から「お洒落な武器」へと変えた、新時代のメガネ芸人。
- カンニング竹山 相方の中島さんは不在でしたが、その分一人で二人分の怒号とパニックを撒き散らした特攻隊長。
- バッファロー吾郎(竹若元博・木村明浩) 関西の職人芸。シュールな視点で「メガネの美学」を説く、番組のスパイス。
- 鈴木拓(ドランクドラゴン) 若手らしい卑屈さと、メガネに隠された「自意識」をいじられる新星。
- 【特別参戦】笠浩二(C-C-B) ドラムを叩きながら歌うメガネミュージシャンの代表。彼がひな壇にいること自体が、初期アメトーーク!の「何が起こるかわからない面白さ」を象徴していました。
3. リーダー・笑福亭笑瓶が示した「メガネ芸人」のプライド
番組のセンターに座るリーダー、笑福亭笑瓶さん。彼の存在はこの回の「背骨」でした。
笑瓶さんのエピソードで最も印象的だったのは、あの黄色いメガネへの異常なまでのこだわりです。「これがないと笑瓶として認識されへん」と語る師匠は、単にお洒落でかけているのではありません。それはプロとしての「スイッチ」であり、魂そのものでした。
驚愕だったのは、自宅に「全く同じ黄色いフレームの予備が何本もある」という告白。宮迫さんから「それ、予備の意味あります!?全部同じやん!」とツッコまれても、ニコニコしながら「これがええねん」と返す笑瓶さん。レジェンドが若手と同じ土俵でいじられ、それでも圧倒的な存在感を放つ姿は、まさにリーダーにふさわしい風格でした。
4. カンニング竹山の咆哮:メガネ紛失は「死」と同義
笑瓶リーダーがどっしりと構える横で、文字通り暴れ回っていたのがカンニング竹山さんです。 竹山さんが語った「メガネあるある」は、もはや怪談の域でした。
「朝起きて、枕元に置いたはずのメガネがない時の絶望を知ってるか!」と立ち上がって絶叫。メガネを探すためにメガネが必要なのに、それが見つからないという「無限地獄」の再現。
さらに、手探りで床を這い回っている最中、自分の膝で「パキッ」とメガネを踏み折ってしまったエピソードでは、スタジオが悲鳴と笑いに包まれました。「あの時の音は、親が死んだ時より悲しいんだぞ!」という竹山節。この熱量こそが、深夜時代のアメトーーク!の真骨頂でした。
5. 笠浩二の衝撃告白:伊達メガネという「第三の道」
番組が中盤に差し掛かった頃、最大の事件が起きました。ミュージシャン枠で参加していたC-C-Bの笠浩二さんが、あろうことか「実は僕、目は悪くないんです。伊達メガネなんです」とカミングアウトしたのです。
これには、視力の低さに苦しむ竹山さんやバッファロー吾郎の二人が猛反発。「おい!ファッションか!」「こっちは命がけで探してるんだぞ!」と総ツッコミを食らいます。
しかし、リーダー笑瓶さんはここでも優しかった。「それでも、そのメガネが笠さんを作ってるんやもんな」とフォロー。メガネは視力補正器具である前に、その人の「アイコン」であるという、この回の隠れたテーマが浮き彫りになった瞬間でした。
6. おぎやはぎの「工事中」とバッファロー吾郎の「静寂」
おぎやはぎの二人がメガネを外した時の、あの「誰やねん感」も忘れられません。宮迫さんの「ただの工事現場のおじさんやん!」というツッコミは、今も語り継がれる名言です。
また、バッファロー吾郎の竹若さんと木村さんが語る「お風呂でシャンプーのラベルが見えない」という切実な悩みや、メガネをクイッと上げる動作の美学。笑瓶リーダーの大きな器の中で、若手・中堅たちが伸び伸びと「メガネ愛」を爆発させていたのが、画面越しに伝わってきました。
7. 結びに:笑瓶リーダーが残した「メガネの灯」
2004年のこの放送から長い月日が流れました。 2022年には笠浩二さんが、そして2023年にはリーダー笑福亭笑瓶さんが、空の上へと旅立たれました。
今、改めてこの回を見返すと、そこには単なるバラエティ番組の笑いだけではない、「自分の特徴を愛し、武器にする」という力強いメッセージが込められていたと感じます。
笑瓶さんのあの黄色いフレームの奥で優しく笑う目。竹山さんの必死な形相。笠さんの少し照れくさそうな微笑み。これらすべてが「メガネ」という共通点だけで一つになった、奇跡の1時間でした。
ブログ主のあとがき
やっぱり初期のアメトーーク!は濃いですね。笑瓶リーダーという大きな「核」がいたからこそ、これだけ個性バラバラなメンバーがまとまっていたんだと痛感します。竹山さんの絶叫と笠さんの伊達メガネ、このコントラストは今見てもお腹がよじれます!

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